巨人・ウィーラーが明かす楽天からの移籍話。クロマティからもらった活躍へのアドバイス
巨人のゼラス・ウィーラーは大きな節目を迎えた。3月25日の中日との開幕戦で「7番・レフト」で出場したウィーラーは、この試合でNPB通算816出場となり、これにニューヨーク・ヤンキースで出場した29試合を足し、845試合となった。この845というのは、ウィーラーがマイナー時代に出場した試合数である。35歳にして、ようやくマイナーの出場試合数に並んだのだ。さらに、26、27日の試合でもスタメン出場を果たし、マイナーでの出場試合数を上回った。
来日して8年目を迎えた巨人・ウィーラーこの記事に関連する写真を見る そのことをウィーラーに伝えると、あのかわいい笑顔を浮かべ喜んだ。
「それはうれしいことです。マイナーでの8年間は長かった。私のガッチリした体型はアメフトには合うかもしれませんが、野球ではそう多くいるわけではありません。だから、ほかの人よりも頑張らないと見てくれないわけです。マイナーからメジャーに昇格するために走塁、守備、打撃だけじゃなく、クラブハウスがいい雰囲気になることに努めました。チームのためなら、なんでもやりました」
その考えは、ウィーラーの土台となった。
バッグには3種類のグラブ
今でも彼の道具バッグの中には、外野手用、一塁手用、内野手用(セカンド・サード)の3種類のグラブが備わっている。ヤンキースではおもにサードを守ったが、レフトとライトの経験もある。楽天でも同様に、おもにサードを守り、外野手も経験した。しかし、2020年シーズン途中で巨人に移籍してからは、(昨シーズン終了時まで)ファーストが82試合、セカンドが2試合、サードが1試合、外野が135試合。持ち前のユーティリティー性を発揮しているが、じつはマイナー時代はもうひとつのグラブを用意していた。
「キャッチャーミットも持っていました。とにかくチームに貢献したかったので、万が一、いなくなった時のことを想定してキャッチャーの練習もしていました。もちろん、可能性としては高くないですが、スタメンキャッチャーがケガをして、控えが退場にでもなったらチームは困りますよね。そんなチームの非常事態に備えて練習していました。捕手として公式戦に出場したことはありませんが、練習試合ではありましたよ。とにかく、どんなことでもアピールしていかないと昇格のチャンスがなくなってしまいますから」
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