指揮官の出遅れ、主砲のコロナ感染、2年ぶりの有観客...日本一球団・ヤクルトキャンプのリアル (2ページ目)

  • 島村誠也●文・写真 text & photo by Shimamura Seiya

 報道陣は投球練習の見学は可能だが、ブルペン前の歩道でのぶら下がり取材は不可。初日は混乱もなく練習は終了。この日は山田、石川、奥川、青木宣親が報道陣に対応した。

「(有観客は)やっぱりモチベーションが上がりますし、見られているとカッコいいプレーを見せようとなってくるので、プラスになると思います」(山田)

【ファンが球場に来てこそプロ野球】

2月2日(観客100人)

 この日は激しい雨のため、室内練習場でメニューを終える。

2月3日(観客100人)

 この日から高津監督が合流。

 午前中には長期滞在する報道陣のPCR検査が行なわれた。球団広報はこの意図について、こう説明した。

「感染拡大防止を考えた時に、取材をしていただく報道陣の方たちには、距離としてファン寄りではなく、チーム寄りになってもらおうと。そのためにチームと同じ日にPCR検査をしてもらうことにしました。そうすることで、報道陣の方の普段の行動も制限してもらえるのではと」

 検査は各クール最終日に設定され、スタンドでの観戦エリアは、報道陣と観客は完全に分けられ、テレビ局の取材では監督や選手もマスクを着用。

「もちろん100%とは言えませんが、お互いがマスクをしたうえで十分な距離をとっています」(球団広報)

 選手たちが居残り練習をしていた16時ごろに、PCR検査の結果がメールで届きはじめ、「よかった、陰性だ」と誰もが安堵の表情を浮かべていた。

2月5日(観客1800人)

 古田敦也臨時コーチが合流。キャンプイン後、初めての週末となり、球場には上限人数(収容人員の38%)となる1800人の観客が見学に訪れた。

「デジタルの無料入場チケットは、球団またはヤクルトスワローズ浦添協力会のホームページで入手できます。当日でも空きがあれば球場窓口でQRコードの入手は可能です」(ヤクルトスワローズ浦添協力会)

 チケット購入者は受付で検温をし、問題がなければ渡されたリストバンドを手首に巻いて入場。スタンドは1席空けの指定席となっており、座席移動は禁止となっている。

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