真中満がヤクルト高津臣吾監督に斬り込む。「今季の開幕投手は奥川恭伸?」「中継ぎの疲弊は?」 (4ページ目)

  • 長谷川晶一●構成 text by Hasegawa Shoichi
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

真中 本当に何も決まっていないんですか? 僕は「奥川一本」に絞っているんですけど(笑)。去年は中10日前後で、ベストコンディションでシーズンを回ったけど、今年は間隔を詰めて中6日で回しつつ、途中抹消して休養を挟んだりするんじゃないのかな、と。

高津 ゴメン、何のニュアンスも出せない。本当に何も決まっていないから。ただ、いつかは中6日で、という思いは当然あります。

真中 昨年の投球内容を見ていても、中6日できちんと回ることができれば最多勝も狙えると思いますね。僕は解説者として、無理やりヤクルトの課題を探してみたんですけど、年間70試合近く登板したことによって、中継ぎ陣にかなりの負担がきていると思うんですけど、「中継ぎ陣の疲弊」は心配じゃないですか?

高津 そこは心配していますよ。しかも、昨シーズンは11月末まで日本シリーズが続いて、例年よりもオフの期間が短かったですからね。ピッチャーって不安だから投げたがるタイプが多いんです。だから、管理、監視を厳しくしてしっかり休ませることも意識しないといけないと思っていますね。

真中 中継ぎ陣に関して、僕はセ・リーグではヤクルトが一番だと思っているんです。

高津 いやいや、左が手薄ですから......。去年は田口(麗斗)がいなかったら、大変なことになっていたと思いますよ。ところで、昨年、真中さんはヤクルトを3位予想にしていたけど、今年は何位ですか?

真中 1位に予想すると、プレッシャーにならないですか? だったら、忖度込みで2位に予想しようかなと思うんだけど、いや、やっぱりここは1位予想にしましょう。

高津 去年と同じように、東一局が始まりますから!

真中 だから、なんで麻雀にたとえるんですか(笑)。僕も経験があるけど、優勝の翌年というのは、気がゆるむとは言わないけど、当然達成感があるのでどうしてもホッとしてしまいがちなんですよね。そこだけは気をつけたいところですね。

高津 連続で勝つっていうのはそんな簡単なことじゃないですからね。1950年に国鉄スワローズが誕生して以来、日本一の連覇は一度もない。でも、せっかくのチャンスなんだから、そこに挑まない理由はない。ぜひ一丸となって戦っていきたいと思います。

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【プロフィール】 
高津臣吾 たかつ・しんご 
1968年、広島県生まれ。広島工高、亜細亜大を卒業後、1990年ドラフト3位でヤクルトスワローズに入団。守護神として活躍し、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年、MLBシカゴ・ホワイトソックスへ移籍。その後、ヤクルト復帰や、韓国、台湾のプロ野球、独立リーグ・新潟アルビレックスBCを経て、2012年に現役引退。ヤクルトの一軍投手コーチや二軍監督を務めたのち、2020年から一軍監督に就任。2021年にはチームを日本一に導いた。

真中満 まなか・みつる
1971年、栃木県生まれ。宇都宮学園、日本大を卒業後、1992年ドラフト3位でヤクルトスワローズに入団。2001年には打率.312でリーグ優勝、日本一に貢献した。計4回の日本一を経験し、08年に現役引退。その後、ヤクルトの一軍チーフ打撃コーチなどを経て、監督に就任。15年にはチームをリーグ優勝に導いた。現在は、野球解説者として活躍している。

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