真中満がヤクルト高津臣吾監督に斬り込む。「今季の開幕投手は奥川恭伸?」「中継ぎの疲弊は?」

  • 長谷川晶一●構成 text by Hasegawa Shoichi
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

高津臣吾×真中満 対談
最終回「球団初の2年連続日本一へ」

昨年、ヤクルトスワローズを日本一に導いた高津臣吾監督と、元ヤクルト監督でプロ野球解説者の真中満氏が対談。高津氏は1991年入団、真中氏は1993年入団でヤクルト現役時代には年齢の近い先輩・後輩関係で、2017年に真中氏が監督の時には高津氏が二軍監督というお互いをよく知る仲だ。「高津ヤクルト」が前年最下位から結果を出せた要因は何だったのか。連覇をかける2022年シーズンに向けての課題や抱負は。息の合ったふたりの対談を全4回にわたってお届けする。(第1回から読む>>)

対談した高津臣吾監督(左)と真中満氏。連覇への意気込みを語った対談した高津臣吾監督(左)と真中満氏。連覇への意気込みを語ったこの記事に関連する写真を見る

【日本シリーズ第6戦・川端慎吾のすごみ】

真中満(以下、真中) 前回のお話で、「日本シリーズでは迷ったところは2カ所ある」とお話ししていましたね。ひとつ目は「第2戦、高橋奎二を続投させるかどうか?」。では、2つ目はどの場面ですか?

高津臣吾(以下、高津) ふたつ目は、日本一を決めた第6戦の最後ですね。延長12回、スコット(・マクガフ)が2回1/3イニングを回またぎした場面。あの場面はいろいろ悩みました。それ以外は何も迷いはなかったんだけど、第6戦は迷いましたね。

真中 第6戦は、最終回となる延長12回表に入った時点で1対1の同点でした。その12回表もツーアウトランナーなし。ここから、塩見(泰隆)がヒット、相手のバッテリーエラーで2死2塁。そして、代打の川端慎吾がレフトにタイムリーヒット。これで2対1となりました。よくて引き分けが濃厚の状態から、よく粘ってつないで追加点を上げましたね。それにしても、よく川端は打ちましたね。

高津 もちろん、僕自身は代打の経験はないけど、試合途中からゲームに入る難しさはすごくあるでしょうね。僕はクローザーとして9回を任されていたから、似たような部分はあるのかなと思いますね。

真中 僕も現役晩年は代打を任されていたけど、バッターのほうがまだラクです(笑)。絶対に抑えピッチャーのほうが大変ですよ。

高津 でも、本当に大変な役割だというのは間違いないですよ。川端については、すばらしいなというよりは、「こんな難しい場面で申しわけないな。でも頼む」という思いのほうが強いですね(笑)。代打を告げるたびに、ことごとく打ち返していましたからね。最後のタイムリーヒットにしても、詰まったように見えても、レフトとショートの間に落ちるように打っているんだと思うんです。代打で出ていく精神力に加えて、技術が本当にすごい。

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