ヤクルト高津臣吾監督が真中満に明かした不安と本音。昨季の開幕3連敗に「あんなに阪神と差があるとは...」
高津臣吾×真中満 対談
第1回「最下位から日本一へ」
昨年、ヤクルトスワローズを日本一に導いた高津臣吾監督と、元ヤクルト監督でプロ野球解説者の真中満氏が対談。高津氏は1991年入団、真中氏は1993年入団でヤクルト現役時代には年齢の近い先輩・後輩関係で、2017年に真中氏が監督の時には高津氏が二軍監督というお互いをよく知る仲だ。「高津ヤクルト」が前年最下位から結果を出せた要因は何だったのか。連覇をかける2022年シーズンに向けての課題や抱負は。息の合ったふたりの対談を全4回にわたってお届けする。
ヤクルト高津臣吾監督(左)と真中満氏の対談が実現。日本一の戦いを振り返ったこの記事に関連する写真を見る
【我慢を続けた監督1年目】
真中満(以下、真中) まずは日本一おめでとうございます。苦しい戦いが続いた監督就任1年目の2020年と、最下位からみごと日本一になった2021年シーズンはどんな点が変わったのでしょう?
高津臣吾(以下、高津) それまで、二軍の監督は経験していたけど、一軍の監督は僕にとって初めての経験だったので、正直に言えば2020年シーズンは、いろいろ試す、じっくりと見る、ということに時間を費やしていた気がしますね。
真中 監督1年目の采配を見ていて、高津監督はすごく我慢強いなって、僕は感じていたんです。特に、中継ぎ投手陣に関しては、僕だったらここは交代だと思う場面でも、じっと我慢して続投させる。とても粘り強かったですよね。
高津 それはありましたね。2020年に関しては、育成目的というのか、とにかく経験させる、見てから判断したい、という思いはありました。
真中 就任1年目だと、どうしても結果を出したくなるものだけど、ピッチャー起用に関しては本当に我慢強かったというのが、すごく印象に残っているんです。
高津 まぁ、ピッチャーが課題だというのは誰もが共通して認識していたことだから、まずはそこを立て直すというのが一歩目でした。いや、そこがすべてと言ってもいいかもしれない。だから、投手の起用に関しては力を入れていました。ただ、実際にひどかったですけどね(苦笑)。でも、そこは割りきって臨んでいましたけど。
真中 昨年の春季キャンプの段階では、先発ローテーションはどのように考えていたんですか?
高津 キャンプの時点では、頭数はそろっているんですよ。候補が10人もいて、どうやって6人に絞ろうか? なんて考えているのに、シーズン中盤になる頃には、いったい、誰を投げさせたらいいんだろうって頭を悩ます状態になりますからね(笑)。
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