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オリックスのドラ1右腕・椋木蓮が球界の大エース山本由伸にどうしても聞きたいこと (3ページ目)

  • 永田遼太郎●文・写真 text & photo by Nagata Ryotaro

 1年春のリーグ戦で、椋木は9試合に投げて防御率0.00という結果を残した。1年秋も6試合に登板して防御率0.92。しかし、突然のアクシデントが襲う。2年春のリーグ戦途中に右肩関節窩の炎症を起こして戦線離脱。そこから長期のリハビリ生活を余儀なくされた。

 ケガは思っていた以上に重症で、一時は5メートルほどしか投げることができず、私生活にも支障をきたすほどだった。

「右肩をケガした時に(治療など)いろんなところに行って、たどり着いたのがバランス系のメニューを多めにすることだったんです。体幹とか肩甲骨がうまく使えるようなストレッチを重点的に......それから継続して、今もやっています」

 空いた時間はインターネットで、プロの投手の、とくに自主トレの動画を徹底的に見た。そのなかで目を奪われたのが、オリックス・山本由伸の動画だった。ブリッジの体勢を保ちながら、四肢をひとつずつ動かし、ぐるりと1周するというエクササイズだ。

「自分も体の使い方を意識して投げているので、そこがうまくかみ合ったら(球速が)速くなると感じています。そこをどう考えているのか聞いてみたいです」

 幼少の頃に通っていた水泳の効果もあって、体の柔軟性には自信があった。指先も器用で、調子が悪くてもある程度の球速は出ていたという。しかし体を脱力して、リリースの瞬間だけ指先に力を入れられた時の感覚はまるで違うと、椋木は言う。縁あってオリックスに入団し、山本由伸という最高の手本が身近にいるのなら、そのスキルを学び、吸収したいと考えるのは当然のことだ。

「(学びたいことは)ホント全部です。真っすぐ、変化球はもちろんですけど、投球フォームのバランスとかもですね。自分はバランスが悪くて、ケガをした。そこを治してから段々とよくなってきたので、そこを学びたいのもありますし、1回から9回まで投げてフォームが崩れないところもすごいですし、なぜそれができるのか聞きたいです」

 東北大学病院でリハビリテーション部に属している理学療法士の村木孝行先生からも教えを受け、3年の秋以降、椋木のパフォーマンスは格段に上がっていった。

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