2021.12.01

オリックスのドラ1右腕・椋木蓮が球界の大エース山本由伸にどうしても聞きたいこと

  • 永田遼太郎●文・写真 text & photo by Nagata Ryotaro

 つかみどころのない青年──今秋のドラフトでオリックスから1位指名を受けた東北福祉大の椋木蓮(むくのき・れん)と対面した率直な印象だ。

 取材の際、ある質問に熱っぽく答えてきたかと思ったら、意に沿わないものに関しては「はい」とだけ力なく返答し、スッとかわしていく。飄々と相手打者を抑えていくマウンドさばき同様、多少のことではぶれない芯の強さと言うべきか、椋木は独特の間を持っている。

オリックスからドラフト1位指名を受けた東北福祉大の椋木蓮オリックスからドラフト1位指名を受けた東北福祉大の椋木蓮 この記事に関連する写真を見る  そんな椋木について、今でも強く記憶に残っているシーンがある。昨年10月31日に行なわれた東北地区大学王座決戦の準決勝(対八戸学院大)でのことだ。2対1と1点リードで迎えた8回裏、一死満塁の場面でマウンドに上がった椋木は、併殺崩れで同点にされたが、打者2人をわずか5球で仕留めて、ベンチへと帰っていった。

 9回裏も、1番から始まる相手の上位打線を10球で三者凡退。タイブレークで迎えた10回裏も3人を11球で抑えこんだ。椋木が言う。

「圧倒的な形でアウトを取って、ベンチに戻るということをいつも考えています。絶対にランナーを出さない、3人で抑えるという気持ちでマウンドに上がっています」

 絶体絶命のピンチでも、いい意味での割り切りができる。たとえば、前述のタイブレークの場面についてはこう考えていたという。

「自分で出したランナーではないですし、『嫌だな』という気持ちにはあまりならないです。東北王座決定戦の時も『同点までならいい』というくらいの気持ちで投げていました。もちろん、0点で抑えたい気持ちはありますけど、変に縛られたくないというか、できるだけラクな気持ちでマウンドには上がりたいので......」

 東北福祉大で投手陣を指導する諏佐航平(すさ・こうへい)コーチは、椋木についてこのように話す。

「体以上の存在感といいますか、堂々としているのは最近とくに感じます。実際に体が大きくなったのはありますが、マウンドではそれ以上に大きく見える時があります。『椋木がマウンドに上がったら大丈夫だ』と周りの人間に思わせることができていますし、『あいつが投げているんだから点をとってやろう』と応援される人間にもなりました。そういう部分での成長も大きかったんじゃないでしょうか」