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FA戦線カウントダウン。年俸の割に活躍しそうな「コスパのいい選手」は誰? (2ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Jiji Photo

 各球団の主力級が顔を揃えるが、Aランクでの注目は阪神の梅野隆太郎だろう。2018年から3年連続でゴールデングラブ賞を獲得し、今季も130試合でマスクをかぶった。打率.225ながらも、得点圏打率はリーグ2位の.321を記録するなど勝負強さを発揮した。

 守備面でも、今季は盗塁阻止率こそ2割台と奮わなかったものの、補球やブロッキングの技術など数字に表れないところでの貢献度はあいかわらず。打てる捕手へのニーズは高いだけに、東京五輪の金メダルメンバーがFA権を行使すれば、獲得に名乗りを上げる球団は複数あるだろう。

 Bランクでは、メジャーへのポスティング移籍の道が途絶えたソフトバンクの千賀滉大が国内FA権を行使すれば、大きな話題になるのは間違いない。ただ、今季の4億円と言われる推定年俸を考慮すれば、獲得に名乗り出られる球団は限られてくる。

 熱い視線を集めるのが広島のエース・大瀬良大地だ。投手キャプテンを務めた今季は23試合10勝5敗、防御率3.07。度重なる故障で5勝に終わった2020年の雪辱を果たした。入団から8シーズンで5度のふたケタ勝利を記録する大瀬良は、先発投手を欲する球団にとっては喉から手が出るほどほしい存在。ただし、推定年俸1億5000万円と言われる大瀬良を獲得するのにも、千賀と同様に資金力は必要だ。

 一方、同じ広島の先発ローテーション投手の九里亜蓮なら、資金面のハードルは下がる。今季は自身初めてのふたケタ勝利となる13勝をマークし、阪神・青柳晃洋とともに最多勝のタイトルを獲得。防御率3.81はリーグ8位、QS率68.0はリーグ6位を記録した。昨季も8勝6敗ながら防御率はリーグ5位の2.96と、ピッチングが安定している点も魅力的だ。

 同期入団の大瀬良ほどの圧倒的な存在感はないものの、今季推定年俸の1.5倍増で獲得したとしても年俸は1億3000万円。この投資で先発ローテーションの一角を一年守れる安定感を手にできるのなら「高くはない買い物」と言えるだろう。

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