高木豊がオリックス中嶋聡監督の洞察力と采配力を称賛。CSでは「ロッテは早々に苦しくなる」 (4ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

 さらに、リリーフ陣に対しての評価も高く、短期決戦も不安がないと話す。

「(タイラー・)ヒギンスと平野(佳寿)で8、9回が盤石な上、終盤は吉田(凌)がいい火消しを見せるなど中嶋監督がうまく投手をやり繰りしました。短期決戦では、状態がいい先発投手を後ろに入れることもできます。

 気は早いですが、日本シリーズを考えても山本、宮城が2回ずつ投げるとすれば、それで4勝が計算できる。あとは田嶋をかまして、田嶋が危なければ山﨑(福也)でいくとか。形を崩せる柔軟性があるかどうかがポイントです。中嶋監督は采配や選手起用の柔軟性がありますし、失敗を次に引きずらないので心配ないと思いますけどね」

 一方の打線は、10月2日に右手首を骨折した吉田が打撃練習をするまで復活しているものの、出場できるかは不透明。その中で高木は、モヤをキーマンに挙げた。

「今季は阪神の大山(悠輔)に本当によくチャンスが回ってきていましたが、オリックスはモヤがそんな場面で打席に立つことが多い。出塁率が高い吉田や杉本が前にいるので当然といえば当然ですが。モヤはなかなか打てない時期もありましたが、我慢して使い続けることで調子は上向きでレギュラーシーズンを終えました。また、T-岡田も勝負強さを見せていますし、中軸は長打力のある打者が並んでいるので相手にとって脅威でしょうね。

 チーム盗塁数は少ない(リーグ5位の50個)ですが、足を使った攻撃は盗塁だけではありません。先ほど話したような意表を突いた攻撃で、ランナーの足が速くなくても得点することができる。何より長打力がある打者が多いですから、走者を1、2人いるところで一発というパターンでも勝ってきたチームです。しかも『2点取れば勝てる』と思わせてくれる先発投手がいますし、短期決戦でも死角はなかなか見当たらないですね」

 25年ぶりのリーグ優勝を果たしたオリックスは、CS、日本シリーズを勝ち抜いて日本一に駆け上がることができるか。快進撃を見せたシーズンの集大成となる戦いに注目だ。

元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア

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