高木豊がオリックス中嶋聡監督の洞察力と采配力を称賛。CSでは「ロッテは早々に苦しくなる」 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

 それと、中嶋監督が選手の潜在能力をよく見ていましたね。福田や宗もそうですが、紅林(弘太郎)を内野の要であるショートで我慢して使い続けた。吉田がケガで離脱した際には、それまで8番などを打たせていた紅林を3番に入れ、シーズン終盤に攻守で活躍するなど見事にその役割を果たしました。選手に責任を与えながら能力を引き出すのは、選手たちの力を見抜いているからこそできることです。

 昨季、中嶋監督が1軍監督代行に昇格した際、2軍にいた杉本も一緒に1軍に連れてきましたよね。1軍と2軍の選手を積極的に入れ替えて、コンディションがいい選手にチャンスを与えていました。2軍の監督をしていて選手の能力を把握していたのも大きかったですし、オリックスのOBでもあるので、チームに対する愛情は深いものがありますよね」

 中嶋監督は現役時代、オリックスのほか、西武、横浜、日本ハムなど多数の球団を渡り歩き、2015年に引退するまで実働29年(工藤公康、山本昌と並ぶプロ野球最長)。2007年からは日本ハムで選手と1軍バッテリーコーチを兼任するなど長くコーチも務め、2019年にオリックスの2軍監督に就任した。選手や指導者として多くの経験を積み、満を持して1軍の監督になったという見方もできる。

「さまざまな指揮官に仕えてきたことは、やはり大きいと思います。その都度、それぞれの指揮官のいい部分を吸収してきたと思いますし、『自分だったらこうする』というものを内に秘めてきたんでしょうね。中嶋監督は、根がものすごく明るくてポジティブ。選手、指導者としてあれだけ長くユニフォームを着続けているのは粘り強くないとできません。捕手出身ということもあって、選手の能力を引き出す洞察力にも長けていると思います」

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