高木豊がオリックス中嶋聡監督の洞察力と采配力を称賛。CSでは「ロッテは早々に苦しくなる」

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

 ロッテとのデッドヒートを制し、25年ぶりのリーグ優勝を果たしたオリックス。昨季の最下位からパ・リーグの頂点へ駆け上がることができた要因は何だったのか。
「投手5冠」を達成したオリックスの山本由伸(右)と中嶋聡監督(左)「投手5冠」を達成したオリックスの山本由伸(右)と中嶋聡監督(左)この記事に関連する写真を見る かつて大洋(現DeNA)で活躍し、現在は野球解説者やYouTubeでも活動する高木豊がその戦いぶりを振り返った。

「いろいろありますが、最大の要因はやはり絶対的なエースがいることです。2013年に田中(将大)が24連勝して楽天を優勝に導いたように、オリックスには山本(由伸)という絶対的なエースがいて投手陣を牽引しました。

 チームの貯金は15でしたが、山本はひとりで13の貯金(18勝5敗)を作りました。今季ブレイクした宮城(大弥)も9(13勝4敗)を稼いだ。田嶋(大樹)や山﨑(福也)はそれぞれ8勝はしたものの貯金はできていませんが、貯金を稼いでくれる絶対的なエースがいるチームはやはり強いです。投手で5冠(18勝、防御率1.39、勝率.783、206奪三振、4完封)なんて記録は、そうそう達成できることではありませんよ(2006年のソフトバンク・斉藤和巳以来、史上8人目の快挙)」

 さらに野手陣では、近年はなかなか固定できていなかった1、2番を確立できたことも大きかった。高木は中嶋聡監督の眼力やチームマネジメントをこう評する。

「交流戦で福田(周平)をセンター、宗(佑磨)をサードに固定し、しっくりしていなかった1、2番が完成しました。交流戦の時、福田は.500という驚異的な出塁率(12球団トップ)で、そのおかげで交流戦を優勝できたと言っても過言ではありません。

 続く2番の宗がサポートに入り、首位打者の吉田(正尚)が3番にいて、本塁打王の杉本(裕太郎)が4番を打つという理想的な打線ですよね。吉田の前にいかに出塁するか。そして吉田が打って出塁し、杉本が一掃してくれる。つながりと迫力を兼ね備えています。

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