巨人・山口俊がたどる道は? 黒田博樹などメジャーからの「出戻り」後に活躍した先発投手たち (4ページ目)

  • 白鳥純一●取材・文 text by Shiratori Junichi
  • photo by Sankei Visual

【ヤクルト黄金期を支えた快速左腕】

 今シーズンから楽天を指揮する石井一久も、現役時代の2006年にメジャーからの日本球界復帰を経験している。

 1991年のドラフト1位でヤクルトに入団すると、150キロを超える速球と、大きく曲がるスライダーを武器に活躍。最優秀防御率(2000年)や、2度の最多奪三振(1998年、2000年)のタイトルを獲得するなど、球界を代表する左腕に成長した。ヤクルトに在籍した10年で5度のリーグ優勝、4度の日本一を成し遂げ、チームの黄金期を象徴する投手のひとりだった。

 ヤクルトが日本一に輝いた2001年オフ、ポスティング制度を利用してドジャースに入団する。加入初年度の2002年は、打球を受けて頭蓋骨を骨折するアクシデントがありながら14勝を挙げ、2年目以降は9勝、13勝、ニューヨーク・メッツに移籍した2005年は、故障の影響もあって3勝に終わった。

 翌2006年には、古田敦也がヤクルトの選手兼任監督に就任したことを受けて日本球界への復帰を決断。同年にチームトップの11勝をマークした。翌年オフにFA権を行使して西武に移籍してからも先発として存在感を放ち続け、初年度の2008年には11勝を挙げて4年ぶりの日本一にも貢献。帰国後の活躍期間が短めになることが多い"出戻り"の投手陣において、ヤクルトでの2年で20勝、西武での6年間で45勝を挙げるなど長く活躍した。

 日米通算で182勝の白星を積み重ねた石井は、2013年に引退。契約社員として吉本興業に入社して幅広く活躍していたが、2018年に楽天のGMに就任。今シーズンは指揮官としてリーグ優勝、日本一を目指している。

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る