千賀も驚愕。ホークスの天然キャラ右腕のポテンシャルはお化け級 (4ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • photo by Koike Yoshihiro

 また、入団時のプロフィールに「自分大好き」と書き記し、その理由を尋ねると笑顔でこう説明してきた。

「きつい練習をしている時、『みんなより追い込んでいるな』とか、試合で何連投もしている時に『ヤベェ、オレ』みたいな......。頑張って乗り越えようとしている自分が好きなんです」

 さらに、グラブの刺繍も話題になった。社会人時代(三菱重工広島)は「牛一頭」。これは元広島の選手でもあった監督(当時)の町田公二郎氏から「牛一頭くらい食え」とハッパをかけられたことに由来していた。

 一昨年オフに完成したグラブには「世界遺産になりたい」と目標が縫い込まれていた。本人曰く、誰にも負けたくない意気込みを表現したかったらしい。そして今オフの最新作は、ずばり「男は鶏胸肉」----。

「よく見るボディービルのYouTuberの方が、『男はどれだけ鶏胸肉を食べたかで決まる』と言っていて」

 昨年末に球団の寮を出てひとり暮らしを始めた。契約更改時に聞くと「鶏胸肉、ちゃんと買ってきて茹でて食べています」と胸を張った。早くも着ているスーツがパツパツではち切れそうだった。

「真っすぐを生かすためにやらないといけないことがある。新しい課題と向き合って、今年は長く一軍にいられるようにしたい」

 ひと冬を越えて、ただ大きかっただけの一本の樹にたくさんの実がなるだろう。杉山一樹が真のモンスターとして、今季のプロ野球を席巻するはずだ。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る