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山本昌が認定する現代の魔球6選
「変化球がエグい!」投手は? (5ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro,Kyodo News

驚異の奪三振率を誇るソフトバンクのモイネロ驚異の奪三振率を誇るソフトバンクのモイネロ■リバン・モイネロ(ソフトバンク)のカーブとチェンジアップ

 巨人との日本シリーズで3イニングを投げ、8奪三振。初めてモイネロ投手の変化球を見たときは衝撃を受けました。カーブもチェンジアップも、とてつもない落差があります。カーブはホームベースに向かって右側、チェンジアップは左側に落ちますが、魔球が2つあるようなものです。

 ストレートが常時150キロ超と速いうえに、右にも左にも落ちる球があるわけですから、バッターはたまったものではないでしょう。

 モイネロ投手も森下投手と同様に手が真上から出てきて、ボールを縦に切っています。腕が出る位置が高く、体のひねり方、使い方がすべてマッチしているからこそ、こんな魔球が投げられるのでしょうね。

 これだけ変化量の大きなボールを扱い、さらに体の使い方が難しいフォームですから、どうしても日によってコントロールがばらついてしまいます。でも、感覚が合う日はよほどのことがない限り、打たれないはずです。

 好調時のモイネロ投手の変化球を打てるバッターは果たして現れるのか、とても気になります。それくらい強烈なボールを投げていました。

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 以上、私が「魔球」と認定する5投手の変化球をご紹介しました。私自身の現役時代を振り返ってみると、実際に対戦してみて「魔球だ」と感じた投手が4人いました。

 マット・キーオさん(元阪神ほか)のカーブ。伊藤智仁くん(元ヤクルト)の高速スライダー。佐々岡真司くん(元広島)のスライダー。そして、大魔神・佐々木主浩くんのフォークです。佐々岡くんのスライダーは、打席で「消えた」と思いましたから。とても強烈なボールでした。

 今後、魔球を投げる可能性がある投手を挙げるとすれば、山下舜平大投手(福岡大大濠高→オリックス1位)のカーブや、高橋宏斗投手(中京大中京高→中日1位)のチェンジアップでしょう。プロでさらに磨きをかけてくれることを期待します。

 今のプロ野球は縦の変化球が重要、というのが私の持論です。これからも野球ファンをあっと驚かせるような魔球の出現を楽しみに待ちたいと思います。

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