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12球団の「もったいない選手」たち。 能力は超一流も定位置奪取できない【2020人気記事】 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro

 それでも、球界屈指のロマンを秘める選手の仕事場が守備固めでは、あまりに寂しい。27歳の江越にとって、今が正念場だ。

 江越をはじめ、「もったいない選手」には外野手が多い。まずはリストアップしてみよう。

愛斗(西武・23歳)
真砂勇介(ソフトバンク・26歳)
釜元豪(ソフトバンク・26歳)
田城飛翔(ソフトバンク・21歳)※育成選手
田中和基(楽天・25歳)
オコエ瑠偉(楽天・22歳)
岩見雅紀(楽天・25歳)
加藤翔平(ロッテ・29歳)
菅野剛士(ロッテ・27歳)
松本剛(日本ハム・26歳)
淺間大基(日本ハム・24歳)
立岡宗一郎(巨人・30歳)
関根大気(DeNA・25歳)
江越大賀(阪神・27歳)
中谷将大(阪神・27歳)
島田海吏(阪神・24歳)
※選手の年齢は2020年7月6日現在(以下同)

 なぜ外野手に多いかと言えば、下記の要因が考えられる。

①プロの一軍で内野守備をこなすには高い技術が必要になる(内野手は専門性が高く、外野手に比べて需要がある)

②内野を守れる選手は、スーパーサブなど必然的に一軍戦力になりやすい

③外野には3ポジションがあり、故障者・スランプの選手のバックアップとして多めに選手が必要になる=ライバルが多い

④パ・リーグには指名打者制度があり、打撃偏重型の選手がだぶつきやすい

 そんななか、注目は12球団最強の選手層を誇るソフトバンクである。

 現時点で実績のある内川聖一、中村晃が一軍におらず、キューバからデスパイネ、グラシアルは来日すらしていない。そんな窮地にあっても、栗原陵矢というイキのいい若手が出現してしまうところにソフトバンクの恐ろしさがある。

 今のところ外野陣は長谷川勇也、柳田悠岐、上林誠知がレギュラーを固め、前出の中村、グラシアルに、現在は指名打者として出場するバレンティンもいる。さらに快足の周東佑京、ドラフト1位ルーキーの佐藤直樹ら楽しみな若手もひしめく。栗原も外野をこなせる選手だ。

 そんな壮絶なレギュラー争いに割って入るのは至難の業。中堅の域に差し掛かってきた真砂、釜元にとっては非常に苦しい状況だ。

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