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12球団の「もったいない選手」たち。 能力は超一流も定位置奪取できない【2020人気記事】 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro

 真砂は身体能力が高く、パンチ力に優れた右打ちの外野手。185センチ、88キロの大きな体ながら昨季はウエスタンリーグで26盗塁(リーグ1位)を決めている。明るい性格で、一軍で活躍できればムードメーカーになりうる資質を持つ。

 釜元は昨季86試合に出場し、11盗塁を記録して一軍定着への足掛かりをつかんだかに見えた。とくに昨年は盗塁技術の進歩を見せ、盗塁死はわずか1だった。意外性のある長打力も魅力だが、今季は同じ右投げ左打ちのドラフト5位ルーキーの柳町達が開幕一軍となり、釜元は二軍で調整している。

 今回の「もったいない選手」は原則23歳以上の選手を対象にしたのだが、唯一例外としたのが田城である。というのも、田城は高卒4年目の育成選手。昨季はウエスタンリーグ112試合に出場して、打率.307(リーグ2位)をマークした。外角の変化球を拾ってヒットゾーンに運ぶ技術は出色だ。だが、走守に際立った武器がなく、同タイプの柳町が入団した現在は支配下登録へのハードルが上がった感がある。

 育成選手は在籍3年で一度は自由契約になる。ソフトバンクの育成選手はレベルが高く、かつては亀澤恭平(現・琉球ブルーオーシャンズ)が自由契約になったタイミングで中日に移籍して活躍した。田城と同期入団の長谷川宙輝がヤクルトに移籍して今季プロ初勝利を挙げたように、他球団のほうがチャンスはあるかもしれない。

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 近年、積極的に補強に動いている楽天も、もったいない選手の宝庫である。一軍の外野陣が島内宏明、辰己涼介、ブラッシュ(またはロメロ)と固定されており、打線全体のバランスもいい。2018年の新人王・田中や、走攻守に爆発力があるオコエですら二軍でチャンスを待っている状況だ。

 なかでも岩見は、現在はファームでも試合に出たり出なかったりの状況が続いている。慶應義塾大時代は東京六大学リーグ通算21本塁打(歴代3位)を放った巨砲も、プロ3年目に入った。性格的に十分に目をかけてもらって意気に感じるタイプだけに、二軍でもチャンスが限られる現状は歯がゆく映る。

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