西武「山賊打線」のニューフェイス。川越誠司の異色の球歴 (4ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Koike Yoshihiro

「心がけるようになったのはホント、1月の自主トレからっすかね。それまでは、そんなに意識はしていなかったです。やっぱり全部の球を打ちにいって、打ちにいくべきボールを打って、そのなかでボール球に対してはスイングが止まる。それが一番いいバッターの特徴だと思っています。そこを吸収できるように、まずはフルスイングから入って、ボールを見極められるようになるのが目標です」

 川越が目指すのは、まさに山川や森のようなバッティングだ。打つべき球は思い切り振り、ゾーンから外れるボールにはグイッと動きを止める。それができるようになれば、バットは"金棒"のごとく相手投手を打ちのめす武器と化す。

 開幕前の練習試合では鋭い長打を放つなど持ち味を発揮した一方、三振も多かった。

「やっぱり、一軍のピッチャーは全然違います。真っすぐも速いですし、変化球もキレがいいですし。球種も多いので、そこに慣れていかないといけない。そういうピッチャーに対してフルスイングするのはもちろんですけど、追い込まれてからの対応など、これから伸ばしていかないといけないと思っています」

 まだ荒削りの部分もあるが、投手になって落ちた筋肉を取り戻すトレーニングを始めて2年目、フルスイングを意識し始めたのは今年1月からだ。短期間で、周囲にブレイクを期待させるほどの輝きを見せている。

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