2020.06.30

ホークスにまたまた期待の新星。
栗原陵矢がブレイクまでに6年を要した理由

  • 安部昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Koike Yoshihiro

 ソフトバンクのチームリーダー・内川聖一が、開幕前の練習試合で21打数1安打と不振にあえぎ、まさかの二軍スタートとなった。そんな不測の事態が起き、ソフトバンクの一塁は捕手登録の栗原陵矢(りょうや)が務めている。

プロ6年目にして初の開幕スタメンを果たしたソフトバンク栗原陵矢 若手、若手と思っていたら、もうプロ6年目。ここまでの5年間、一軍での通算成績は46試合に出場し、打率.196、1本塁打……この数字を鑑みれば、今シーズンは自らの”存亡”をかけた勝負の1年なのかもしれない。

 6月29日現在、9試合に出場して打率.359(39打数14安打)、1本塁打、9打点、出塁率.419と大健闘を見せている。

 もともと”面”で打てるバッターだと思っていた。バットをテニスラケットのように使って、インパクトで相手投手にしっかり面を見せてミートする。つまり、ピッチャーの投げるボールを”線”でとらえることができるからミートの精度が高く、すぐれたアベレージヒッターの資質を持ったバットマンと見ていた。

 ファームでタイミングよくバットの芯でとらえていたら、それだけで3割近いアベレージは残せたはずだ。しかし、いつまでもスリムな体型で、せっかくミートしても140キロ台後半のボールに力負けしてしまう。それが昨年までの栗原だったのではないか。