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解説者5人の「広島・森下暢仁論」。
マエケンなみの高度な投球術 (5ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

◎藪恵壹氏

 新人王の最有力候補だと思います。じつは昨年のドラフト前、明治大で彼の取材をしました。ピッチャーとしての考え方がしっかりしていますし、ボールもすばらしい。阪神が指名したらいいなと思っていたら、広島の一本釣りでしょ(笑)。打力のあるチームですし、順調に勝ち星を積み重ねていくと思います。

 持ち味は、タテに大きく割れるカーブ。右投手であれだけブレーキのあるカーブを投げるピッチャーは少ないですから、それだけでもすごく貴重な存在です。しかもストレートは150キロを超えてきますから、打者にとってあのカーブはすごく"邪魔なボール"になってくる。バッターというのは差し込まれたくないですから、速いボールを意識するのですが、あのカーブがあるからどうしても迷いが生じてしまう。とにかく配球パターンが豊富ですので、的を絞るのが大変なピッチャーだと思います。

 森下のピッチングのイメージは、プロで活躍しはじめた頃のマエケン(前田健太/現・ツインズ)とダブります。タテのカーブを有効に使ったピッチング、コーナーいっぱいに決める制球力、ボールのキレ......どれをとっても一級品。近い将来、カープのエースとして活躍してくれるはずです。

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