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解説者5人の「広島・森下暢仁論」。
マエケンなみの高度な投球術 (3ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

◎斎藤雅樹氏

 ストレートはいいし、変化球もいいし、コントロールもある。緩急の使い方もうまく、プロで勝てる投手の要素をすべて持っているピッチャーだと思います。

 とくにすばらしいと感じたのは、タテヨコだけでなく、奥行きを使ったピッチングができること。森下の場合、大きく曲がるタテのカーブがありますが、打者や状況によって落とす位置を変えている。ストライクゾーンを平面にとらえるのではなく、立体的にとらえています。正直、ルーキーでこういうピッチングができること自体驚きですが、それだけ全球種に自信がある証拠でしょう。

 だから、ピッチングに余裕がありますよね。打たせて取るピッチングもできるし、いざという場面では三振を狙いにいける。このままシーズン終了までローテーションを守ることができれば、2ケタも十分にあり得ます。

 あえて不安要素を挙げるとすれば、体力でしょうね。大学生は春と秋しかリーグ戦がなく、1年を通して投げたことがない。しかも今年は交流戦もオールスターもなく、メリハリがない。そのなかでどうしても疲れは出てくると思うのですが、その時にどれだけのピッチングができるか。

 ピッチャーというのは、調子がいい時なんてほとんどないですから。調子が悪いなかでどれだけ試合をつくれるかが、これから重要になってくる。そうしたことは、投げていくうちに覚えていきますから、とりあえず今はケガをせず、1年間投げることを目標にしてほしいですね。

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