八重樫幸雄が明かす青木宣親のすごさ「ボクシングで世界王者になれる」
連載第14回(第13回はこちら>>)
【第一印象は「ちょっと時間がかかるな......」と思った青木宣親】
――前回の岩村明憲さんに引き続き、今回も「指導者・八重樫幸雄」として、思い出の選手を伺いたいと思います。岩村さんのほかに思い出に残っている選手は誰でしょうか?
八重樫 うーん、青木(宣親)かな? 当時、若松(勉)さんが監督で、僕が打撃コーチだったんだけど、若松さんが青木をすごく買っていたんだよ。それで、「おいハチ、青木を一軍キャンプに連れていくぞ」って若松さんに言われたことはよく覚えているな。でも、初めてのキャンプで青木を見た時にはビックリしたね。
昨季、日本通算1500安打を達成した青木宣親 photo by Kyodo News――どのようにビックリしたんですか? いい意味ですか、それとも悪い意味で?
八重樫 悪い意味で(笑)。とにかくボールが前に飛ばない。バッティングフォームが小さすぎて、力強いスインクができない。それに、野球を知らないんだから。ただ、足は速かった。青木は早稲田大学出身でしょ。当時のヤクルトのスカウト部長、小田(義人)さんが早稲田出身だったんだよね。あの頃、早稲田の鳥谷(敬)を見に行ったら、「すごく足の速い選手がいるぞ」ということで、青木の指名を決めたみたい。
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