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赤星憲広の阪神ドラフト評価は何点?
「上位が成長したら10年安泰」 (2ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

――3位と4位で指名した、昨夏に甲子園で活躍した左ピッチャーの及川雅貴(横浜)、投手だけでなく長打力のあるショートとしても評価が高い遠藤成(東海大相模)についてはいかがですか?

「及川は数年前と比べると評価を落としていましたよね。コントロールの悪さが懸念材料になっていたと思いますが、素材としてはすばらしい。佐々木(郎希)、奥川、西と共に『高校BIG4』と呼ばれた才能をプロで開花させてほしいです。

 遠藤に関しては、『4位までよく残っていたな』という印象です。DeNAが1位指名した森敬斗(桐蔭学園)とも甲乙つけがたいですね。名門の東海大相模で、内野の顔であるショートを守り、ピッチャーとしても活躍したわけですから、野球センスは段違いですよ。U-18の試合を見た限りでは、さすがに1年目では難しいかもしれませんが、木製バットにも早く対応できそうですね」

――そして5位では、キャッチャーの藤田健斗(中京学院大中京)を指名しました。

「今年の高校生キャッチャーのなかで、DeNAに4位指名された東妻純平(智辯和歌山)に次いで、私もすごく評価していた選手です。強肩が持ち味ですが、バッティングもいい。今夏の甲子園でチームが初の4強入りを果たせたのも、彼の攻守での貢献が大きかったと思います。

 6位で指名した小川(一平/東海大九州)に関しては事前にデータを集めきれなかったのですが、5位までの高校生の顔ぶれを見ただけでも、すごくバランスが取れているのがわかりますよね。左右の投手、右の長距離砲、ショート、捕手まで、甲子園で活躍した選手たちを揃えられたわけですから。この5人が、早くて2年後か3年後、もしくは5年後くらいまでにレギュラーを獲得したら、阪神は10年くらい安泰でしょう」

――そんなドラフトの評価が、100点ではなく、95点と5点足らなかった理由はどこにあるのでしょうか。

「奥川を外したことは、そこまでのマイナス要素ではありません。育成枠も含めて、『将来性』という点では最高の指名ができたので、もうひとりくらい、来季に即戦力として期待できる選手を指名してもよかったのかな、と感じたんです。

 たとえば社会人では、パナソニックの体格に恵まれた右のスラッガー、片山(勢三)などを獲ってもよかったんじゃないかと。すぐにチームの主力になってくれるような選手がいたら、選手を育成しながらチーム力を高めることができますから。でも、今年のドラフトの成果を考えれば、それも『贅沢』と言われるかもしれませんけどね(笑)」

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