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打てる捕手にこだわる阪神・梅野隆太郎。
原点回帰+狙い球で打棒復活 (5ページ目)

  • 服部健太郎●文 text by Hattori kentaro
  • photo by Kyodo News

「強く心がけているのは、『予測を超えるような投球をあらかじめ予測しておく』こと。予想外のことが起こるから慌てて反応するはめになってしまう。落ちる変化球を(サインで)出す時などは、『このフォーク、すごく手前でワンバウンドするんだろうな』という感じで、もっとも捕りにくそうなワンバウンドが来ることを想定するようにしています」

 今季は開幕早々に左足薬指を骨折するも、試合に出続けながら治す道を選択。現在は完治したが、前半戦の大部分を完調とは程遠い状態で戦い抜いた。

「痛み止めを飲んでも痛みが消えるわけじゃなく、最初の二週間はまさに激痛。やりながらなのでなかなかよくならないし、走塁の中で急ブレーキをかけた時などはとにかく痛くて......。でも『ケガをしているから成績が悪い』とは言われたくなかった。『痛かろうが結果を出さねば!』というプレッシャーを力に変え、それなりの結果が残せた日々は、過ぎ去ってみればいい経験だったと思えます」

 インタビュー終了の時刻がやってきた。最後に「今後の目標」を尋ねた。

「ゴールを決めることなく、常に上を目指し、日々成長していきたい。ペナントレースはいいことばかりじゃないけど、自分が勝利に貢献したと思える、納得のいく試合を1試合でも多く増やしていきたいです。選手としてまだまだ成長していけると思っています」

 満足知らずの「打てる捕手」はそう言うと、ニコリと笑い、グラウンドに飛び出して行った。

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