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打てる捕手にこだわる阪神・梅野隆太郎。
原点回帰+狙い球で打棒復活 (2ページ目)

  • 服部健太郎●文 text by Hattori kentaro
  • photo by Kyodo News

 アマチュア時代同様、空振りを恐れず、ファーストストライクから積極的に振っていった1年目。249打数で7本の本塁打が生まれた一方で、78個の三振を喫した。2年目に挑む梅野に「1年目と同じことをやっていてはいけないのではないか」と思わせたのは、2割に満たなかった打率(.197)だった。

「打率を上げる方法論を模索せずにはいられなかった。長打が打てることは自分の持ち味ではあるけども、プロのレベルで長打を求めすぎても空振りが多くなってしまう。それはやはりいけないんじゃないかと。やはりしっかりとボールを見極め、早打ちせず、フォアボールによる出塁も増やす必要があるなと。

 元々投手寄りにあったポイントを捕手寄りに移すことにしたんです。ポイントをなかに入れ、長くボールを見るスタイルにした方が確実性の向上、打率アップにつながるんじゃないか。右打ちといったチームバッティングをする上でも都合がいいのではないか。そう考えたんです」

 打つポイントを捕手寄りにし、ボールを長く、しっかり見て、呼び込んで打つ――まさに打撃の教科書のような意識を携えた打撃理論にも思えるが、残った数字は芳しいものではなかった。

 2015~2017年の打率は.202。三振率こそ改善されたが、向上を求めた打率に劇的な変化は起こらなかった。3シーズンの平均本塁打率は、1年目の35.6打数に1本から84.8打数に1本へ下降。梅野は「ボールをしっかり見る意識を強めたことで2ストライクに追い込まれる打席がすごく多くなった」と振り返る。

「『ボールをよく見て、ポイントを捕手寄りにして、呼び込んで打とう』という意識を徹底していたのですが、ボールをよく見て、引きつけて打とうとすると、振りだしたときにはもうボールが手元まで来てしまうことが多く、右方向へのファウルがやたらと増えたんです。四球による出塁も増やさなければと思うあまり、ファーストストライクや2ボール0ストライクのような打者有利のカウントでもなかなか打ちに行けず、ストライクを見逃し、次の球をファウルし、結局追い込まれてしまう。そんなパターンがすごく多かった」

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