移籍1年目の炭谷銀仁朗が感じた
「パの投手と巨人の若手の違い」

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

 昨オフ、西武からFAで巨人に移籍した炭谷銀仁朗。小林誠司、大城卓三といった"生え抜き"のキャッチャー陣と切磋琢磨しながら、現在は苦しい戦いが続くもセ・リーグの首位を走るチームの女房役として存在感を高めている。

 桜井俊貴ら実績があまりない投手たちを巧みにリードし、シーズン前半戦の途中からはエース・菅野智之とバッテリーを組む試合も増加。5年ぶりのV奪還を目指す原辰徳監督の信頼を勝ち取った。そんな炭谷に、移籍1年目のシーズンの手応えを聞いた。

FAで移籍した巨人で1年目のシーズンを送る炭谷FAで移籍した巨人で1年目のシーズンを送る炭谷──巨人、セ・リーグで戦う初めてのシーズンで、ここまでのターニングポイントになった試合を挙げるとしたら?

「そういった試合は思い当たらないですね。移籍1年目ですし、常に全力でプレーすること、目の前の試合をなんとか勝ち切ることを第一に考えて臨んでいるうちに、あっという間に時間が過ぎていったような感じです」

──炭谷選手から見て、巨人はどういうチームですか?

「西武時代に見ていた巨人は、伝統がある球団ということもあって"おとなしい"イメージがありました。"イケイケ"な雰囲気があるパ・リーグで長くプレーしていたので、余計にそう感じていたのかもしれません。でも、実際に巨人の一員となって、勝利へのこだわりがものすごく強いチームであることを実感しました。すべての選手がその思いを共有して戦ってきたからこそ、前半戦の『貯金17』という数字につながったんだと思います」

──西武時代には2大会連続でWBC(2013年、2017年)のメンバーに選ばれるなど、球界を代表するキャッチャーとして活躍されてきましたが、目標としてきた選手はいますか?

「小学生の時に野球を始めてから投手やサードもやっていましたけど、軸として取り組んでいたのはキャッチャーだったので、ずっと城島健司さん(元ソフトバンクなど)に憧れていました。西武に入ってからは、伊東勤監督(現中日ヘッドコーチ)と植田幸弘コーチ(現広島一軍バッテリーコーチ)に配球などを徹底的に叩き込まれ、その時の経験がプロで生きる支えになっています」

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