ヤクルト真中監督しみじみ
「幸せな時間は、勝って酒を飲む夜でした」 (2ページ目)
―― 夏場以降は、山崎晃大朗選手、藤井亮太選手、奥村展征選手といった若い選手が頑張りました。
「西浦(直亨)あたりもまだ若手と呼ぶのかな。正直、このままでは、彼らが来年以降、レギュラーを取るイメージはまったくありません。現状のヤクルトだったから試合に出られただけで、何とかして『自分の力でレギュラーを勝ち取るんだ』という気持ちでやってほしい。本人たちもそれは自覚していると思います」
―― 3年間、ともに戦った選手たちについてお聞かせください。全員は難しいのですが、まずは山田哲人選手についてお願いします。
「山田のような素晴らしい選手には、なかなか巡り合えないですよね。今年は本当に苦しみましたが、それでも最後まで試合に出てくれる。本来なら逃げることもできるんですよ。でも彼は、どんなに調子が悪くても試合に出続けた。これは並大抵のことではありません。石川雅規にも同じことが言えます。エース格のピッチャーであれば『そろそろ二軍で調整させてください』と直談判してくる選手もいます。でも石川はどんなに調子が上がらなくても、チーム事情があって『投げてほしい』と頼めば、投げてくれる。ふたりともハートというか、プロ意識が強い。素晴らしいメンタルを持った選手だと思います」
―― 頼れる大砲・バレンティン選手はいかがでしょうか。
「バレンティンはねぇ(笑)。監督室で話した回数がいちばん多い選手でしたね。今年も5、6回呼んだかな。怠慢プレーに怒るというより、説得する感じです。ちゃんと説明すれば、彼も『ワカリマシタ。キヲツケマス。アリガトウゴザイマス』と理解してくれるのですが、効果は3日ぐらいなんですよ(笑)。それでまた『この前の約束はどうした。お前はヤクルトの看板選手なんだぞ。どんな状況でも必死にプレーするお前の姿を、ファンは見ているんだから頑張れ』と。そういうと、うるっとした表情になって『チャントヤリマス』と言うんです。育った文化が違うといえばそれまでなんでしょうけど、まあ難しい選手でした。すぐに『痛い』っていうし。でも、かわいいんですよね(笑)」
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