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一軍と二軍の狭間で苦悩する沢村賞右腕。
攝津正の復活はまだなのか (3ページ目)

  • 阿佐智●文・写真 text&photo by Asa Satoshi

 そして昨年から、攝津にとって二軍は仮の住まいではなくなった。一軍の7試合を上回る18試合に登板し、6勝1敗、防御率2.62の好成績を残しながら、先発投手陣の充実したホークスにあって、一度失ったローテーション投手の座は簡単に戻ってこなかった。

 今季、攝津はローテーションの最後の6枠目を争う立場からシーズンをスタートさせた。3月に入り、オープン戦が始まると、攝津は最初の試合で4回無失点と好スタートを切ったものの、次の先発マウンドで3本塁打を浴びてしまい5回5失点とベンチの信用を落としてしまう。

 開幕前最後の登板では6回無失点と文句なしの結果を出したものの、攝津は開幕二軍を言い渡されてしまった。

 攝津が二軍に合流したとき、すでにウエスタンリーグは開幕していた。初登板は4月5日。ここで攝津は5回無失点と好投して勝利投手となると、早速、一軍から声がかかった。和田毅が故障し、さらに代役として白羽の矢が立った松坂大輔も投球できないという事態に陥ったからだ。

 4月15日、攝津の今季一軍初マウンドは、慣れ親しんだヤフオクドームでの先発だった。しかし、オリックス打線に4回で1本のホームランを含む5安打を許し3失点。黒星こそつかなかったものの、チームは敗戦。攝津は翌日から再び筑後で汗を流すことになった。

 そうして迎えたファーム2度目の先発が、冒頭で触れた阪神戦だった。満を持しての登板だったが、初回いきなり失点を許してしまう。だが、味方打線はその裏すぐ同点に追いつき、2回にはジェンセンの特大アーチが飛び出し勝ち越しに成功する。

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