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斎藤佑樹は「西本聖」になれ。
一撃必殺、打ち取るピッチングに活路 (4ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 とりわけ印象に残っているのは1981年の日本シリーズ第5戦だ。西本は、そのシーズンのパ・リーグの覇者、ファイターズを相手に、13本のヒットを打たれながら、136球を費やして完封を果たしている。27のアウトのうち、4つの併殺を含む22のアウトがゴロ(他は三振4つ、レフトフライ)だった。斎藤が目指すべきピッチングは、そこにある。

 4月6日の千葉では負けがついてしまい、試合後には登録を抹消された。しかしそれはその日の内容次第で、ということではなく、試合前から登板後に抹消することは決まっていたようだ。栗山監督の気持ちは、斎藤にローテーションの一角を託すまでにはまだ至っていない。斎藤はマリーンズ戦の試合後、こうも言っていた。

「勝てなかったことは悔しいですし、素直に今日のピッチングを喜べはしないんですけど、オープン戦やイースタンの試合でやってきたことをスタートの試合でそのまま出せたことは、僕の中ではすごく大きかったと思います」

 4月13日にはイースタン・リーグのライオンズ戦に登板し、5回を投げて再三のピンチを背負いながら、2失点に凌ぐピッチングを見せた。次の登板もファームのゲームが予定されており、一軍復帰への具体的な道筋は見えていない。それでも斎藤はこの道が正しいと信じて、チャンスを待っている──。

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