「プロ野球のボブルヘッドは似てない」と文句言ってたら呼び出された (4ページ目)

  • 長谷川晶一●文 text by Hasegawa Shoichi
  • Sportiva●写真

 ここまで会議が進み、3Dなどハイテクの波がボブ界にもおよび、そこに人間の職人技によって、より似せるための努力が行われていることがわかった。それぞれの立場のプロフェッショナルが苦労している現実を目の当たりにして、「そこまで頑張っているのだから、多少似ていなくてもいいではないか」という気になってくる。......いや、ダメだ。日和ってはいけない。やるからには徹底的に似せる。そこは譲ってはいけないのだ。

女性目線の意見を述べる最所さんと、ずっと何か言いたげな様子だった日本ハム・川尻氏女性目線の意見を述べる最所さんと、ずっと何か言いたげな様子だった日本ハム・川尻氏
 続いてのテーマは「ボブルヘッドのポーズについて語ろう」だ。拙著でも書いたが、スポーツ選手ボブルの場合、「顔と動きの複合技」で似せることは可能だし、むしろ、その選手の特徴的なプレーシーンをきちんと切り取ることこそ、ボブル制作のキモなのだと思う。そんなことを偉そうに述べたところ、日本ハム・川尻氏が突然切り出した。

「実は、うちでは大谷翔平の《二刀流ボブルヘッド》を作ろうと思っているんです。打者版、投手版の2体のボブルです。実は、今日集まっていただいたのはその開発の参考にするためなのです!」

 なるほど、ようやく今日のテーマが見えた。「大谷翔平の二刀流ボブル」の制作において、少しでもお役に立てるのならば光栄だ。無駄な敵対心を持つことはやめて、素直な意見を開陳しようではないか! 

 そして、川尻氏はスクリーン上に次々と大谷翔平の代表的なシーンを映し出す。なるほど、どれを見ても、いかにも「大谷らしい」場面ばかりだ。その中には、僕がイメージする大谷翔平のプレーシーンもあった。一応、「これがいい」とコメントしたものの、ポーズはファンの投票によって決まるらしい。はたして?

 会議は、さらに白熱する。以下、後編にて......


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