鵜久森、坂口、大松、榎本...「ヤクルト再生工場」は今もフル稼働中

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 3月31日、神宮球場。ヤクルトの鵜久森淳志は、自身を含め、4人の「元戦力外選手」が揃って開幕ベンチを果たしたことに、感慨深い心境になったと告白した。

今季すでに2本のサヨナラ打を放っているヤクルト・鵜久森淳志今季すでに2本のサヨナラ打を放っているヤクルト・鵜久森淳志「一軍の開幕ベンチに(元戦力外の)4人が揃うこと自体すごいことだと、率直に思いました。戦力外になって新たな契約にこぎつけても、そこから競争があって、ましてや誰もが開幕一軍を目指すなかで結果を出さないと、その舞台には立てません。そんななかで、開幕戦に4人が揃った。正直、異例というか、なかなかないことですよね」

坂口智隆(2015年にオリックスを戦力外→2016年ヤクルト入団)

鵜久森淳志(2015年に日本ハムを戦力外→2016年トライアウトを経てヤクルトに入団)

大松尚逸(2016年にロッテを戦力外→2017年ヤクルトにテスト入団)

榎本葵(2016年に楽天を戦力外→2017年トライアウトを経てヤクルトに入団)

 ヤクルトはこの2年で、4人の戦力外選手を獲得した。鵜久森は言う。

「大松さんと榎本の入団が決まったときは、『おっ』というか、ライバルが増えたなと思いましたね(笑)。大松さんは実績のある方ですし、榎本はファームで試合をしたことがありますし、僕と境遇的に似ている感じがします」

 開幕戦(対DeNA)は、坂口が2番・センターでスタメン出場。3打数1安打、2四球、2得点と勝利に貢献した。同カード3戦目には、鵜久森が延長10回裏に劇的な代打サヨナラ満塁本塁打。4月8日の広島戦では、それぞれ代打で出た大松、鵜久森の連続ヒットで1点差に詰め寄り、なおも一死満塁。続く打者が坂口というドラマチックな展開ではあったが、あえなくショートフライに倒れた。

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