鵜久森、坂口、大松、榎本...
「ヤクルト再生工場」は今もフル稼働中 (2ページ目)
現時点(4月16日現在)で坂口と榎本は二軍降格となり、一軍登録は鵜久森と大松だけになったが、この4人がチームにフィットしていることは間違いない。
鵜久森はバッティングに関して、「特に変わっていない」と話すが、新天地で結果を残せていることについて、次のように語る。
「去年は打席に多く立てた(自己最多の146打席)ということが大きかったですね。一軍で、右ピッチャーのときも立たせてもらえました。日本ハムのときは限定的な起用が多かったですから......。そのことで引き出しが増えたというのはあるかもしれません。そして杉村(繁)コーチのティーバッティングは、意図があって何種類もやるので、体のキレが出やすい。なにより、僕自身は気持ちの部分が大きいと思っています。一度は死んだ人間というとおかしいですけど......やっぱり拾ってくださったことへの恩返しがしたい。もちろん、自分のためにも頑張るのですが、そういう感情が体を動かしています。恩返しという言葉は何度も使ってきましたが、それは本当の気持ちなんです」
―― 代打サヨナラ満塁本塁打は、打ったのは右の須田幸太投手からでした。
「あの場面で使ってくれたことに意気を感じましたよね。去年の経験が生きた打席でした。対戦したピッチャーだったからこそ、打席に入る前にイメージができました。初対戦でイメージの湧かない相手との一発勝負は難しいですから」
鵜久森と話をしていると、昨年の浦添キャンプの光景が蘇る。居残り練習で、坂口と一緒になって「こうだったっけ?」「こうじゃなかった?」と言いながらお互いにトスを上げあって、杉村コーチの考案したティー打撃の練習をしていた姿である。
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