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独立リーグの「牛飼い球団」に、
なぜマニー・ラミレスが来ちゃうのか (4ページ目)

  • 阿佐智●文 text by Asa Satoshi
  • photo by Kochi Fighting Dogs

 台湾のときとは違って、1シーズン腰を据えるつもりであることは、家族も一緒に来日する予定であることからもうかがえる。ちなみに、高知球団からのギャラは野球振興のために寄付するという。

「私自身がいちばん見たいですよ」

 球団オーナーの北古味鈴太郎(きたこみ・りんたろう)は、球団経営上のもくろみよりも、まずは自分自身が高揚していることを隠さない。高知ファイティングドッグスは、これまでにも伊良部秀輝や藤川球児といったメジャーリーガーを受け入れてきたが、メジャーでの実績は彼らの比ではない。

 高知は過去に存続問題が起きるなど、アイランドリーグでも指折りの"貧乏球団"だといわれる。少しでも経営の助けになればと、牛を飼ったり、米や野菜などを作ったりもしている。

 その一方で、野球の国際普及にも力を注ぎ、ドミニカやベネズエラ、アメリカといった野球強豪国から助っ人として外国人選手を受け入れるだけでなく、アフリカやブラジルから未熟な選手を受け入れ、育てている。

 いわば高知ファイティングドッグスとは、世界中から野球好きが集まる大家族なのである。その大家族にマニーが加わる。彼も、ほかの選手たちと同じように田んぼや畑に入り、米や野菜を収穫するのだろうか。メジャーの大スターだった選手がそんなことを......と思ってしまうのだが、彼ならするかもしれない。

 だって、「マニーはやっぱりマニーだから......」。

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