広島・ジョンソンが日本で手にした「偉大な番号と最高のパートナー」 (2ページ目)

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 来日当初、ジョンソンも捕手とコミュニケーションが取れるのか不安だった。しかも、ジョンソンの公式戦初登板となった昨年3月28日のヤクルト戦でマスクをかぶったのは、キャンプ、オープン戦でわずか数回しかバッテリーを組んでいない石原だった。だが、この試合でジョンソンは1安打完封という素晴らしい結果で、記念すべき来日初勝利を飾った。

 以来、ジョンソンが投げる試合は石原がマスクをかぶり、昨季は登板した28試合すべてでバッテリーを組んだ。ジョンソンは石原について次のように語る。

「うまく説明できないのですが、僕は大きめのキャッチャーのほうが投げやすいのです。でかいキャッチャーミットとともに、大きな的があるような気がするんです。イシ(石原)は、結構大きいですからね。もちろん、太っているという意味ではなく、ガタイがいい。実際、身長177センチで体重は90キロ。決して巨体というわけではありませんが、僕にとってちょうど投げやすい体格なのです。それに、イシはどんなボールでも捕ってくれるし、ボール気味の球でも審判にわからないようにうまく捕球してくれる。なんとなく、言っている意味をわかってもらえたかな?」

 もちろん、石原の体格だけがジョンソンの投球を支えていたわけではない。ジョンソンが最も頼りにしていたのは、石原の経験だった。一度も見たことのない打者と対戦していかなくてはいけないジョンソンにとって、広島一筋14年のキャリアを持つ石原の情報と経験は参考になったとともに、素晴らしい結果をもたらした。

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