藤川球児「会話はなくても金本監督の言いたいことはわかる」 (2ページ目)

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito 寺崎敦●取材協力 cooperation by Terasaki Atsushi

中谷 金本監督から何か話はあった?

藤川 ほとんどないです。会話はないですけど、目はよく合うので、何を言おうとしているのかはわかっているつもりです。僕、いま35歳でしょ。新任の監督やコーチたちが、35歳の選手に対して気を回さなくてはいけない状況だとやばいでしょ。それこそ、若手が出てくる芽をつんでしまっていると思います。若手に目を向けないといけないのに、ベテランに向けないといけないのは......迷惑な選手になっているだけですよ。

中谷 金本監督はキャンプ初日に「残念ながら藤川球児が一番目立っていた」と言っていたけど、それを聞いてふたりのタイガースへの思いが合致している感じがした。

藤川 金本監督は「いいものはいい。悪いものは悪い」とはっきり判断される方。純粋にボールを見て、よかったと判断していただいたのだと思います。厳しい一面を持っている方ですね。タイガースは強くて、いいチームになっていくと思います。

中谷 球児は覚えていないかもしれないけど、若い頃、あのときは赤星(憲広)さんもいたかな。球児が「仁さん、オレ、弱いチームで野球をするのが嫌なんです」と言ったのを覚えている? そのときタイガースは弱かったけど、赤星さんや藤田太陽ら即戦力の選手が入ってきて、オレたちの世代でタイガースを強くしたいという思いがあった。オレは全然ダメやったけど、そのあと球児や赤星さんらの生え抜き選手が頑張り、他球団からもいい選手が来て、チームは強くなった。それから今度はアメリカに行って、いろんなことを感じて帰ってきた。おそらく、今回がプロの選手として最後の場所になると思うけど、引き際とか考えたりする?

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