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武田翔太「やる気のないフォーム」が生んだ150キロと魔球 (6ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 高卒1年目の投手が、実績のある先輩捕手のサインに首を振れるだけの配球セオリーを持っていたこと自体が驚きだが、武田はさらに驚くべき告白をした。

「最初は三軍からスタートして、二軍、一軍と上がっていったんですけど、二軍のバッターまでは『そこは振らないでしょう!』と思うような意味のわからないボールにまで飛びついてくるので、逆に読みづらかったです。むしろ一軍の選手は余計なボールは振らないので、どんな意図で打席に入っているのか読みやすい。そういう意味で、一軍のほうが駆け引きできる楽しさがありますね」

 プロ1年目には新聞の取材に対して、「読み合いができるから、ベテラン選手の方が投げやすい」ともコメントしている。

 マウンド上で笑顔を振りまく、大胆不敵な19歳(当時)。順風満帆に見えたプロ生活のスタートだったが、武田翔太のプロ2年目に待ち受けていたのは「試練」だった。

インタビュー後編につづく

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