ドラフト総括、セ・リーグ編。各球団の「守り強化」と巨人の迷走 (3ページ目)
岡田明丈(大阪商業大)は150キロを超すストレートが特長の投手で、今年春のリーグ戦で31回連続無失点を記録するなど、防御率0.40という驚異的な数字をマークした。1年目から先発ローテーションに入れるだけの力は十分にある。
2位の横山弘樹(NTT東日本)も150キロをマークする本格派だが、カットボールやチェンジアップなど変化球の使い方もうまく、安定感では岡田の上をいくといっても過言ではない。3位の高橋樹也(花巻東)は変化球で簡単にストライクが取れるなど、制球力抜群の左腕。即戦力ではないが、2、3年後は投手陣の中心になっていてほしい逸材だ。
中日は高橋純平(県岐阜商)の外れ1位で高校ナンバーワン左腕の小笠原慎之介(東海大相模)を指名したのは大きい。順調に成長すれば、近い将来、大野雄大、若松駿太らとともに投手王国を築く可能性はある。
一方、当たり障りのない指名に映ったのが巨人だ。監督がいまだに決まっていない状況がもろに影響したドラフトとなってしまった。補強ポイントはすべてと言ってしまえばそれまでだが、指名の戦略から数年先のビジョンが見えてこない。あらためて、監督不在のドラフトの難しさを思い知られた。
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