2015.10.21

真中監督、カツノリコーチが選手にかけた「いつも通り」の魔法

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 セ・リーグのクライマックス・シリーズ(CS)ファイナルは、ヤクルトが巨人を下し、14年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。初戦をとった巨人に流れが傾くかと思われたが、2戦目からヤクルトが3連勝。終わってみれば、アドバンテージの1勝を加え、トータル4勝1敗というヤクルトの快勝だった。

CSファイナルステージの第2戦に先発し、巨人打線を8回無失点に抑えた小川泰弘

 勝因は何かと考えた時、多くの選手の口から出てきた言葉が「いつも通りの野球」だった。そして、それを貫ける強さが今年のヤクルトにはあったのだ。

 真中満監督は、CSファイナルを振り返って、「いつも通りにやること。相手のペースに合わせて動かない。いちばんに心掛けたのはそこです」と語った。

「原(辰徳)さんは短期決戦の経験が豊富なので、初戦の早めの継投を見て『これが短期決戦の戦い方なのかな』とつられそうになりましたが、そこを我慢して......監督がバタバタするとそれが選手にも伝わってしまいますので」

 指揮官だけではない。選手たちも大舞台に臆することなく、「いつも通り」のプレーを見せた。第2戦に先発し、8回無失点の好投で勝利投手となった小川泰弘は言う。

「気負うこともなく、緊張しすぎることもなく、いつも通り、試合に入っていけました。先制点をもらったあとも『抑えなきゃ』とか余計な意識を持たず投げることができた。試合前に野村(克則)コーチたちが『打線が3、4点取るから、クオリティスタート(QS)くらいの気持ちでいいよ』と声をかけてくれたのも、硬くならずに投げられた要因だと思います」