真中監督、カツノリコーチが選手にかけた「いつも通り」の魔法 (3ページ目)
さて、真中監督が言う「いつも通り」とは「粘りきる」ことで、今回のCSでヤクルト守備陣は随所で粘り強さを見せた。
この4試合でヤクルトが「無死一、二塁」「一死満塁」「一死二、三塁」「無死三塁」といった絶体絶命のピンチを招いたケースは12回あったが、そのうち得点を許したのは3回しかなかった。そうして、ピンチを切り抜けるたびに「いつも以上の力を発揮している」と思っていたのだが、選手たちは口を揃えて「いつも通りだった」と言った。しかし、そのあとに続く言葉を聞くと、あることに気づくのだった。
「(CSファイナルは)もちろん緊張しますけど、リーグ優勝を決めた試合に比べたらそこまでではないです。特に(9月26、27日の)東京ドームでの巨人との2試合は、7回、8回あたりから守っていて本当にやばかったですから」(山田哲人)
「CSは想像していたより精神状態は楽でした。リーグ優勝が決まるまでの最後の4、5試合に比べたらたいしたことない。(9月26、27日の)東京ドームでの巨人との2試合はしんどかった。あの時は、ひとつのミスも許されないとか、試合の中でいろんな葛藤がありました。野球人生でいちばんしんどかったですね」(畠山和洋)
「いつも通りです。リーグ優勝を決めた阪神戦に比べたら……あれ以上の緊張感はないですから」(川端慎吾)
「僕にとっては初めてのポストシーズンだったのですが、レギュラーシーズンと同じようにすんなり試合に入れました。マジックが点灯した東京ドームでの巨人戦の方が、気持ちは昂ぶっていました」(中村悠平)
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