真中監督、カツノリコーチが選手にかけた「いつも通り」の魔法 (4ページ目)
三木肇作戦兼内野守備・走塁コーチは、こうしたヤクルトの選手たちについてこんな話をしてくれた。
「シーズン終盤に、本当にギリギリの切羽詰まった、ひとつのミスも許されない試合を経験したことで、選手たちが強くなりましたよね。キャンプからひとつひとつ積み重ねてきたことが、優勝という形でつながったことも自信になったと思います。ただ、ミーティングでもこれがパーフェクトではないと話しています。もっとやること、もっとできたことがあっただろうと。そのへんは、このCSで選手たちがまたいろんな経験をしながら、試合を通してチームを強くしていくことにつながればいいなと思っています」
CSファイナルに勝利したあと、囲み取材を終えてクラブハウスに入ろうとする川端に「今日もいつも通りでしたか?」と声をかけると、笑顔でこう返ってきた。
「今日もいつも通りでした。最後まで、いい緊張感を持って、いつも通りできました」
そして川端のうしろで道具を片付けていた三輪正義が力強い声で言った。
「オレたちはいつだって、いつも通りだよな!」
三輪は、CSファイナルでは守備固めで1試合の出場にとどまったが、シーズン中と同じく早出練習で汗を流し、試合前の練習ではいつも通り大きな声を出してチームに活気を与えていた。三輪が言った「オレたち」という言葉に、チームがひとつになっていることを実感した。
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