中日が優勝候補筆頭 !? 夏場の日程にドーム格差 (3ページ目)
「それだけで十分なアドバンテージですよ!」
そう驚きの声を藪氏があげたほど偏りのある試合日程だが、公式戦のスケジュールが決まるのは前年の秋。セ・リーグ連盟職員と6球団の営業担当者とで構成される日程編成会議で、各球団から提出された要望を踏まえてコンピュータで日程案が作成されている。
室温が26度に設定され、ベンチには室温よりも約2度低く感じるように風速0.8mのファンがつけられているナゴヤドームでの試合が11試合もあることは、43歳の谷繁元信選手兼任監督を筆頭にベテランが多い中日にとってメリットだ。骨折で戦列を離れた和田一浩が戦列に復帰できるのは早くて9月末。左肘の違和感で8月9日に登録抹消された守護神・岩瀬仁紀も再登録は8月19日以降と、投打の大きな柱を欠くものの、ルーキーの又吉克樹や2年目の福谷浩司などの若い投手が台頭しているだけに、スケジュールの恩恵をうまく生かして貯金を増やしていければ、優勝の可能性だって出てくるかもしれない。
阪神はどうだろう。屋外・ドームとも9試合ずつで、本拠地の甲子園球場が高校野球のために使えない不安要素もある。しかし、薮氏は懸念するものではないと解説する。
「かつては高校野球で甲子園が使えない間の阪神の遠征を“死のロード”と言いました。でも、最近はホームゲームで京セラドームを使っているので、もはや “死のロード”という言葉は死語ですよ。昨年も8月は15勝11敗で勝ち越しましたからね。8月はピッチャーに疲労がたまる時期なので、打線のいいチームが強さを発揮します。その点、今年の阪神は打線が好調なので、いい勝負ができると思っています。
それよりも重要なのは、8月にどれだけ9月を見据えた戦いができるかでしょうね。昨年は9月に6勝16敗2分と大きく負け越しました。リリーフが打たれて負けた試合は9月に7試合ありましたが、それは8月にリリーフ陣を酷使した反動が出たからと言っても過言ではありません」
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