工藤公康が語る「後半戦注目はベイスターズ投手陣だ!」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamaura Seiya

――それでは後半戦は、どんなところに期待していますか。

「パ・リーグには3ゲーム差の中にすべてのチームがいるような、"熱パ"や"混パ"を期待したいですね。きっと監督たちはイヤがるでしょうけど(笑)」

――その"熱パ""混パ"のために、魂のこもったプレーでチームに勢い、勝利をもたらしてくれそうな選手は誰だと思いますか?

「例えば今、オリックスは最下位ですけど、借金はまだ3なので優勝圏内から外れたとは言えない。特にこのチームには、パ・リーグのホールド数1位の佐藤達也投手(41試合26ホールド)とセーブ数2位の平野佳寿投手(37試合19S)がいます。夏場から後半戦の過酷な時期、後ろに安心して任せられる投手がいるというのは、非常に心強いことです。あとは前半戦最後の登板で完封勝利を収めた金子千尋投手(7勝5敗。防御率2.22)に続く先発投手がもう少し出てくれば、かなり安定した戦いができると思います。
僕は野球というのは投手がいい位置にいることが、すべてに対して相乗効果をもたらすと思っています。特に今の野球ではセットアッパーと抑えが安定していれば、野手は安心して守れるし、打つ方でもここで1点取れば勝てるんだという気持ちを持てるんです。
そういう意味では、ホールド数2位の松永昂大投手(38試合21ホールド)とセーブ数1位の益田直也投手(43試合23S)がいるロッテも面白い。ふたりの好調が後半も続けば、なにしろ"逆点のロッテ"ですからね」

――では、混戦のパ・リーグで最後に抜け出すのはどのチームでしょうか。

「それでも今年は楽天がくるんじゃないかと思っています。田中投手ひとりが目立ちますけど、則本昂大投手(8勝6敗。防御率3.26)のピッチングを評価する人も多い。他の投手たちはそこそこ打たれてるけど、そこそこいいピッチングをしながら戦えています。できればもう1枚いればとは思いますが」
 
――いっぽうのセ・リーグですが、首位巨人と2位阪神が2.5ゲーム差。阪神と3位中日は11ゲーム差と大きく開き、中日以下はダンゴ状態となっています。

「まず巨人と阪神がズバ抜けていることは間違いありません。繰り返しますが、今の野球で上にいくには中継ぎ以降の安定が重要です。阪神は加藤康介投手(防御率0.85)、福原忍投手(防御率0.68)、安藤優也投手(防御率2.50)の3人を固定できていることで試合終盤の計算がたちます。ただ、ライバル巨人のリリーフ陣、山口鉄也投手(防御率1.47)、マシソン投手(防御率1.53)、西村健太朗投手(防御率1.50)もしっかりしているんで、阪神が巨人よりも上に行けるかどうかは正直わかりませんが」

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