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【WBC】侍ジャパン2009
藤川球児「新球に懸けた思い」 (4ページ目)

  • 木村公一●取材・文 text by Kimura Koichi
  • photo byTaguchi Yukihito

 手応えは上々だった。

「国内の試合で用いるつもりはないんです。あくまでもWBC用として投げただけ」

 その言葉の裏には、「国内では新球など用いなくても抑えられる」という自負がある。わずか2週間だけの持ち球。これまでストレートに人一倍こだわりを持っていた藤川だが、WBCではこだわりを捨て、ただ勝つためだけの新球に挑戦したのだ。つまりは日本の野球を守るために。

◆       ◆       ◆

 今大会で藤川が登板した試合は4試合。投げた回数もわずかに4イニング。結果、セーブも0に終わった。

 しかし責任は全うした。それと同時に、自身の心に新たなるモチベーションの萌芽も植えつけられたにちがいない。

 日本に戻った彼の、そしていつの日か訪れる「FUJIKAWA」は、この2週間の経験を、どのようなピッチングにして表現することだろう。

『Sportiva増刊 WBC2009総集編』(2009年3月28日発売)より転載

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