【WBC】前田健太は復活。もうひとりの柱・田中将大は大丈夫か?
ブラジルとの開幕戦に登板した田中将大だったが、2回を1失点、わずか23球で降板となった WBC3連覇に挑む侍ジャパンは、第1ラウンドのブラジル戦、中国戦に連勝し、キューバとの一戦を残しているが、ほぼ第2ラウンド進出を決めた。いずれの試合も終盤までもつれる展開で、山本浩二監督らは投手陣をスクランブルに動員、ベンチ入り13人のうちすでに10人をマウンドに送った。
チームがスタートした宮崎合宿時から、山本浩二監督は繰り返しこう話していた。
「大会が始まれば点が入らないことも考えられる。やっぱり、守りが大事となる」
ある程度予想されたこととはいえ、中盤にリードされるという苦しいブラジル戦を経たことで、指揮官は改めて短期決戦および初対決の投手攻略がいかに困難であるかを悟ったはずだ。勝敗を分かつのはやはり投手陣だ、と。
そういった意味では、第2ラウンドを前に頭を悩ませているのが、先発の柱と考えてきたエース・田中将大の不調だろう。ブラジル戦に先発した田中は、初回からスライダーを見極められ、甘く入ったストレートを狙い打ちされて先制を許してしまう。2回はスライダーやツーシームといった変化球中心の配球に変えてしのいだものの、計4安打を許して2回23球で降板となった。3回表の日本の攻撃時にも、ブルペンに駆け込んでピッチングを行なうなど、本人にとってもまさかの降板だった。田中は試合後、こう振り返った。
「"開幕"を任せていただいたので、意気に感じてマウンドに上がりましたし、絶対に抑えてやるという気持ちだったんですけど......結果が出なくて申し訳ない気持ちです。ああいうピッチングをしていると短期決戦では使ってもらえないと思う」
それでも自身を納得させるように「感触は本当に悪くない」と続けた。宮崎での練習試合やオーストラリアとの練習試合でも短いイニングの登板ながら失点した。球威に手応えを感じる一方で、簡単にヒット(得点)を許してしまう。内容に結果が伴わないことがこの時期特有の実戦感覚の乏しさからくるものなのか、WBC球との相性が問題なのか本人も判然としないため、暗中模索が続く。
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