2013.03.06

【WBC】アマチュア最強は過去の栄冠!?
それでも侮れないキューバの「武器」

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

昨年11月に行われた親善試合でも涌井秀章から本塁打を放ったグリエル 昨年11月に侍ジャパンの親善試合で来日以後、キューバについて「怖い打線に間違いはない。しかし、決して恐れるほどではない」という認識が高まっている。高代延博コーチを取材した時も、「一発だけ気をつければ、それほど怖い打線じゃない。むしろ韓国の方が怖い」と言い切った。そうした要因のひとつは、これまでのキューバはクリーンアップでも足を使い、セーフティバントを仕掛けてくるなど、小技にも長けていた。だから投手は、多くのことに気を使いすぎるがあまり集中力が欠け、イニングの序盤あたりに連打を浴び、ビッグイニングを許したりするケースが多かった。

 ところが最近の、とりわけ今大会のキューバ打線は、1、2番や下位しか小技を見せない。5番に入るアブレイユは足の速い選手だが、小技を仕掛けてくるタイプではない。だから、ひとりひとりを丁寧に攻めていけば、連打を許す危険が少ない。

 もう一点、キューバ打線は基本的に共通して外角のストレートに狙い球を絞って打席に入ってくる。特に右打者はその傾向が強い。言い換えれば、初球に内角を攻められると対処ができない。来日する前の台湾での直前合宿と練習試合を見る機会があったが、グリエル、アブレウ、ベルといった右のパワーヒッターほど外角に意識が強く、右ピッチャーならインスラ(インコースのスライダー)を投げると簡単にカウントを取れる。そして外角にフォークやチェンジアップの落ちる系を投じれば、空振りやボテボテの内野ゴロに打ち取られる。そんな光景をリプレイのように何度も見せられた。

 もちろん、キューバ打線も対応策を考えてくるだろうが、それでも内角に強い球を投げられる投手ならば、かなりの確率で凡打に仕留められるはずと見ている。むしろ、長打を恐れて慎重に外角を突こうとしすぎると、かえって甘くなるリスクもある。リーチが長い打者が多いだけに、外角一辺倒は危険。内角でカウントを稼ぎ、外の変化球で仕留める。この投球ができれば、そう得点を許すことはないだろう。

 むしろポイントになるのは、キューバ投手陣から日本の打線がどれだけ得点できるかにかかっている。この点に関しては、昨年の親善試合や今大会の打線を見る限り、正直言って心許ない。ただ、キューバ投手陣の特徴をとらえれば、それほど苦にする相手でもない。

 まず、150キロを超える投手は、先発のアルバレス、抑えのガルシアだけ。ほとんどが、140キロ台中盤で、いわゆる”動くボール”で打ち取るタイプ。それはそれで打ちあぐむ可能性はあるが、軌道さえイメージできれば十分に対応できるだろうと高代コーチは言う。

「動く球は見ていってはダメ。反応で対処しなければいけない。その点、糸井(嘉男)や内川(聖一)などは、期待できると思う」