【MLB】山本由伸が絶対的エースと呼ばれるための課題は? キーワードは「ビッグイニング」と「中4日」
日本人メジャーリーガー後半戦の焦点【2】
好調投手編(山本由伸・千賀滉大・今永昇太)
今シーズンの前半戦にメジャーリーグで投げた日本人投手は、先発・リリーフを問わず11人を数えた。彼らのうち4人は、3.00未満の防御率を記録している。防御率1.00の大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)は先発5登板で9イニングなのでサンプル数としてはわずかながら、あとの3人はいずれも10試合以上の先発マウンドに上がり、65イニング以上を投げている。
防御率の低い順に、千賀滉大(ニューヨーク・メッツ)が14登板・77.2イニングで防御率1.39、山本由伸(ドジャース)が19登板・104.1イニングで防御率2.59、今永昇太(シカゴ・カブス)が12登板・68.0イニングで防御率2.65だ。ナ・リーグで前半戦60イニング以上を投げた68人中、彼らの防御率は1位、9位、10位タイに位置する。
なかでも、山本は現時点の規定投球回(チームの試合数×1.0イニング以上)に達していて、こちらの防御率ランキングではナ・リーグ5位にランクインしている。奪三振率の数値も高く、1試合平均10.01個は7位だ。
山本由伸はメジャー2年目ながらエース級の活躍 photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る ここまでの山本は、ドジャースのエースとして投げてきたと言っていい。
ドジャースの先発投手のうち、ダスティン・メイは17登板で94.1イニングを投げているが防御率4.96。山本とメイ以外の先発投手のイニングは、いずれも山本の半分に届いていない。しかも、タイラー・グラスノーは5月と6月の登板がまったくなく、開幕から2登板で負傷者リストに入ったブレイク・スネルはまだ復帰に至っていない。
ちなみに、山本がシーズン全体の規定投球回(162イニング)に到達すると、ドジャースの投手では3年ぶりとなる。過去2シーズン、ドジャースには145イニング以上を投げた投手すらいなかった。
後半の課題をふたつ挙げるなら、ひとつはたまに「ビッグイニング」を招いてしまうことがあることだろう。
5月8日の4回裏と、6月13日の3回表は、どちらも1イニング4失点(自責点4)を記録。7月7日は1回裏に5点を取られ(自責点は3)、イニングを終わらせることなくマウンドを降りた。
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著者プロフィール
宇根夏樹 (うね・なつき)
ベースボール・ライター。1968年生まれ。三重県出身。MLB専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランス。著書『MLB人類学──名言・迷言・妄言集』(彩流社)。










































