【MLB】山本由伸が絶対的エースと呼ばれるための課題は? キーワードは「ビッグイニング」と「中4日」 (2ページ目)
この3度のビッグイニングに共通するのは、塁上に複数の走者がいる場面でホームランを打たれていることだ。そこには、いずれも四球で出塁させた走者が含まれている。塁上に走者がいなければ、たとえホームランを喫しても失点は1で済む。具体的には3月28日のような、被本塁打2本ながら5イニング2失点(自責点2)とすることができる。
昨シーズンの被本塁打は、ソロが5本と2ラン以上が2本。今シーズンはソロも2ラン以上も5本ずつ。ランナーのいる場面で打たれるケースを減らしたい。
【中4日の登板で結果を残せるか】
そしてもうひとつの課題は、登板間隔だ。オリックス・バファローズ時代もそうだが、昨シーズンも今シーズンも山本は中5日未満で投げたことがない。昨年のポストシーズンも、すべて中5日以上の登板だった。
ポストシーズンにおいて、ドジャースがディビジョンシリーズ5試合と、リーグチャンピオンシップシリーズ7試合をフルで戦うと仮定しよう。
両シリーズ間のオフが昨年と同じ1日だけの場合、山本がディビジョンシリーズの第1戦に投げて、そこから中5日ずつだと、2シリーズで計3登板、中4日なら計4登板(2登板目は中5日)となる。つまり、ローテーションの順序を整えてポストシーズンを迎えるとして、中5日と中4日を比べると、後者のほうがエースは1試合多く登板できるということだ。
勝ったほうがワールドシリーズに進み、負けたほうはオフを迎えるリーグチャンピオンシップシリーズの第7戦に、エースが登板できるかできないかは、そのチームの命運を握ることになりかねない。ポストシーズン後半のいずれかの時点で、山本は中4日の登板にトライすることになるだろう。
前半戦フル回転した山本に対し、千賀と今永は前半戦、それぞれ1カ月と2カ月弱の離脱を余儀なくされた。それでも、防御率はともに優れた数字を残している。
メッツで先発10登板以上の5人中、防御率1.39の千賀以外の4人は防御率3.05以上。カブスで先発10登板以上の6人のうち、今永の防御率2.65はマシュー・ボイドの防御率2.34に次ぐ数字で、あと4人の防御率は3.90を超えている。
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