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【MLB】メジャー4年目で開眼した鈴木誠也 カブス番記者は「打つべきカウントで、打つべき球に手を出している」 (2ページ目)

  • 杉浦大介●取材・文 text by Sugiura Daisuke

【カブスがワールドシリーズを目指すためのカギとは?】

 2025年のカブスは"サプライズチーム"のひとつと言えるのかもしれない。過去4年間、プレーオフから見放されてきたチームが6月12日の時点で42勝27敗と好調。ナ・リーグ中地区で2位のミルウォーキー・ブルワーズに5.5ゲーム差をつけ、首位を快走中だ。特にPCA、タッカー、鈴木、ダンスビー・スワンソンらが引っ張る打線は強力で、チーム打率、得点はリーグ2位、本塁打数、長打率は同3位。このままいけば、覇権争いの台風の目になっていきそうだ。

 そんなカブスが今後、本格的な優勝争い参戦に向けてやるべきことは何なのか。

 今季前半戦のカブスの成績は私の事前の予測を少し上回っている。かなりいいチームになるチャンスがあると思ってはいたが、そのためにはいくつかのポジティブなことが起こる必要があると見ていた。ふたを開けてみれば、PCAのスーパースター級への成長、誠也の活躍など、起こるべきことが起こっている。

 今永昇太、ジャスティン・スティールのような主力投手が故障離脱しても、その勢いは止まらなかった。今のカブスは地区首位に立っているだけではなく、メジャー屈指のチームに見える。プレーオフ進出は十分にあり得ると予想していたが、これほどの躍進には驚かされている。

 最後に今後について話しておくと、左大腿部の肉離れで離脱している今永はもうじき復帰する見込みだが、そのあとでも、先発投手をもう1人加えるべきだと思う。できれば今永よりも上か、同等に近い投手が獲得できればベターだ。その時には、カブスはワールドシリーズが狙えるチームになっていくだろう。

 近年のメジャーリーグは戦力均衡が進んでおり、今のままでも優勝が目指せるのかもしれない。ただ、多くの主力選手が健康を保ったうえで、ベテラン投手を補強できれば、その可能性は高まる。

 打線はかなり優れているだけに、今季のカブスは楽しみなチームとして浮上し続けても不思議ではないように思える。

著者プロフィール

  • 杉浦大介

    杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)

    すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう

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