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大谷翔平の価値をドジャースは最大限プラスにできるか 23年前の高額契約のA・ロッドと比較 (3ページ目)

  • 取材・文●奥田秀樹 text by Okuda Hideki

【大谷が活躍できるドジャースの受け皿】

 2月9日、ドジャースのキャンプ初日。大谷は「今までより年俸も上がって責任も重くなったと思うが、そのことについては?」と訊かれると、「責任はより重くなるとは思いますけど、やること自体は変わらない。これまでも金額云々関係なくベストを尽くしてきたので、そういうのは変わらず継続したいなと思っています」と答えている。

 2001年のレンジャーズと大きく異なるのは、ドジャースは勝つために完ぺきに近い体勢を整えていることだ。アンドリュー・フリードマン編成本部長は、自信を示している。

「もともと才能ある選手が集まっていたが、さらに才能ある選手たちを加えることができた。選手層は厚くなったし、ファームシステムも強力だ。今後については良い感触を持っている」

 昨季は先発投手陣が手薄だったが、山本由伸、タイラー・グラスノーらを補強、剛腕ウォーカー・ビューラーも肘の手術から復帰してくる。大ベテランのクレイトン・カーショーとも再契約した。ファームシステムもスポーツ専門ウェブサイト『ジ・アスレチック』によると30球団中3位の高評価。若手有望株がたくさんいれば、シーズン中にトレードで弱点を補う時にとても有利だ。

 戦力的な備えは十分。では、あとは何が必要なのか? ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は「チームをひとつにしたい。言葉の壁や文化の壁もあるが、選手同士が互いによく知り合って調和を保てること。私も彼らについて学んでいく。これからの8カ月、家族よりも長い時間を一緒に過ごすからね」と話している。

著者プロフィール

  • 奥田秀樹

    奥田秀樹 (おくだ・ひでき)

    1963年、三重県生まれ。関西学院大卒業後、雑誌編集者を経て、フォトジャーナリストとして1990年渡米。NFL、NBA、MLBなどアメリカのスポーツ現場の取材を続け、MLBの取材歴は26年目。幅広い現地野球関係者との人脈を活かした取材網を誇り活動を続けている。全米野球記者協会のメンバーとして20年目、同ロサンゼルス支部での長年の働きを評価され、歴史あるボブ・ハンター賞を受賞している。

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