大谷翔平の移籍先チームを考察「来季打者のみ」でもラブコール止まらず 本命は?
10月末か11月初旬にワールドシリーズが終わったあと、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平はFAになる。そこから、エンゼルスに提示されるクオリファイング・オファーを断った場合、エンゼルスを含む各球団との交渉がスタートする。
右ひじのじん帯の手術を受け、来シーズンの大谷はDHのみの出場となる。
『USAトゥデイ』のボブ・ナイテンゲールによると、各球団は大谷をエリート・パワー・ヒッターと見ていて、2025年に投手として復帰できれば(球団にとっては)ボーナスになると考えているという。
どの球団も同じ気持ちかどうかはともかく、まずは打者としての需要がポイントになりそうだ。
大谷翔平はいち早くシーズンを終えて手術に踏み切ったこの記事に関連する写真を見る 大谷の新球団として、筆頭候補の呼び声が高いロサンゼルス・ドジャースは、昨オフにDHのJ.D.マルティネスと1年1000万ドル(約14億8000万円)の契約を交わした。DHとの単年契約は、今オフに大谷を手に入れるための布石という見方もできる。
ドジャースは昨オフ、FAとの大型契約どころか、複数年の契約もなかった。
1000万ドル以上の契約も、マルティネスのほかにはふたりの先発投手、クレイトン・カーショウと1年2000万ドル(約29億7000万円)の再契約を交わし、ノア・シンダーガードを1年1300万ドル(約19億3000万円)で迎え入れただけだ(シンダーガードは夏にクリーブランド・ガーディアンズへ放出。その後、ガーディアンズが解雇)。
ドジャースの資金は潤沢だが、大谷との"超"がつく大型契約に備え、出費を控えたのかもしれない。
DHに大谷がいると、疲労軽減などを目的にほかのレギュラー野手がたまにDHとして出場することは、基本的にできなくなる。ただ、ドジャースは選手層が厚く、ある選手を休ませても、その試合における得点力が著しく下がることはない。同じ理由により、時には誰かをDHとして起用し、大谷に休養を与えることも可能だ。
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著者プロフィール
宇根夏樹 (うね・なつき)
ベースボール・ライター。1968年生まれ。三重県出身。MLB専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランス。著書『MLB人類学──名言・迷言・妄言集』(彩流社)。