2022.03.25

大谷翔平の投球はすでに「シーズン中盤並み」の完成度。開幕投手に向けては「新ルール」も追い風に

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

「これは恐ろしい。大谷はいい状態だ」

 3月21日(現地時間:以下同)にアリゾナ州のテンピ・ディアブロスタジアムで行なわれた、カンザスシティ・ロイヤルズとのオープン戦に登板した大谷翔平について、『MLB.com』は速報でそのように表した。

3月21日のオープン戦で好投したエンゼルスの大谷3月21日のオープン戦で好投したエンゼルスの大谷 この記事に関連する写真を見る  大谷はこの日、50球、2回1/3を投げて3安打1失点、5奪三振。最速は99マイル(約159キロ)だった。今季初の実戦登板での好パフォーマンスを、『MLB.com』は「(ロサンゼルス・)エンゼルスのマドン監督も感銘を受けた」と伝え、同監督のコメントを次のように紹介した。

「大谷はとてもよかった。素晴らしかったよ。捕手の(マックス・)スタッシも、『昨年よりさらによくなった』と言っている。(2安打を放ったロイヤルズの)若手のエドワード・オリバレスにとっていい打席となったが、大谷は傑出していたし、すべてがうまくいった。私は本当に感銘を受けたよ。配球もよく、速球もよかった」

 現地メディアも、この日の大谷を絶賛している。「大谷が投じた速球は打者をすり抜け、変化球は何人かの打者を凍らせた。エンゼルスの"二刀流スター"はマウンド上でさらによくなった」(『ESPN』)、「大谷翔平は、この春に早くもサイ・ヤング賞投手のような姿を見せた」(『ザ・コールド・ワイヤ』)。

 大谷の実戦登板は、現地メディアが抱えていた不安を一掃するものだった。これまでの報道では、満票でMVPを獲得した昨季と同レベルの活躍を期待する一方で、体調と調整具合を心配する声もあった。その理由は、今年の調整期間があまりにも短いため。新労使協定交渉の影響で、キャンプが当初の予定から約1カ月遅れの3月14日スタートとなり、さらにオープン戦は、キャンプインからわずか3日後の17日からというタイトなスケジュールになった。

 大谷はキャンプ2日目の15日からブルペンで投球を行ない、同日の記者会見では「フィジカル面はすでに昨年よりいい状態でここまできている」と語っている。しかし実戦を見るまでは、現地メディアも状態を評価できなかった。